夏の終わりに
いまから35年前の8月31日
私の家の食卓には、蒸し暑さと心
あと、12時間後には学友たちの明るい声と共に、新学期が訪れる
そして、そこ向こうに見えるのは、怒りが頂点に達し、抑えきれな
母の右手が動くのが、一瞬スローに見えた。
こちらに手が伸びて来る。
しかしその手は、私に到達する手前で向きを下に変え、食卓の上の
私は、咄嗟に体を右にかわす、
「パリーンッ!」
私の頬を掠めたまんじゅうは、引き戸のガラスを突き破り、廊下に
母「なんで避けるのっ!」
その言葉には、夏の40日間を無駄に過ごした娘と、この至近距離
私は毎年、夏の終わりが近づくと、
「あのまんじゅうを避けていなかったら、私の人生は変わっていた
そんなことが頭をよぎる。
今でも、実家の引き戸には、1枚だけ違う柄のガラスが入っている 。
素敵な『想い出』ありがとうございました。
この『想い出』は古い友人の奥様のエピソードのようです。
少し着色してる感じはありましたが
ノンフィクションというので、全文をそのままで掲載しました。
楽しい『想い出』 嬉しかった『想い出』 笑った『想い出』 など
いろんな『想い出』を募集しています。
pieni